小さな工務店のひとりごと 仕事の話1|介護福祉建築『基本のき』
こんにちは、ミライエ建築工房の代表、得本です。
突然ですが、私は高校生まで野球をやっていた野球っこでした。野球を通して学んだことのひとつが「基本の大切さ」です。
だからこそ、介護福祉建築における『基本のき』とは何かをよく考えます。
バリアフリー計画?手すりの設置?
色々と考えてみるのですが、「これだ!」と決めきれるものは見つかっておらず、まだまだ勉強不足を痛感しています…。
ただ、私が介護福祉建築に携わる中で大切にしていることがあります。
それは 『動き』と『思い』です。
今回は、この2つについて少しお話ししたいと思います。
■動きについて
『動き』とは、住宅の中での動線や使いやすさの事です。
建築的な視点では、動線計画や棚の高さなど、使いやすい動作を考えることが大事だと考えます。
それに加えて、耐震性、空気の流れ、光の取り入れ方、植栽を取り入れた四季の変化なども、建築の「動き」と言えるかなと思います。
介護福祉的な視点ではどうでしょうか?
ここでは [どこまで制限なく使えるか]、[不自由なく暮らせるか] がポイントだと思っています。
たとえば、介助が必要な場合、本人がどう動くのが良いか、介助者と本人が動くスペースをどう確保するかを考えなければいけません。
建築の『動き』と似ている部分もありますが、 『動作のしやすさ』 という視点が大きく違うように思います。
ADL(日常生活動作)の観点からも1つの動作に対して
・自立して生活できるのか
・見守りが必要なのか
・介助が必要(部分的or全て)なのか
こういったことを踏まえながら計画を立てることが大切だと思っています。
建築的な動きだけを優先すると使い勝手が悪くなり、逆に介護福祉的な考えを重視しすぎると、家としての快適さが失われることもあります。
そのバランスをどう取るか、これはいつも考えさせられる難しいところです。
■思いについて
『思い』とは、介護福祉的な視点では [これからどう暮らしていきたいか] という願いや目標のことだと思っています。
たとえば、[趣味をこれからも続けたい]や[できなくなったことを、少しずつでもできるようになりたい]こういった思いを持ち、それを叶える
ための短期・長期的な目標を立てることは大切な事の1つです。そして、その目標を叶えるために、私たちがお手伝いできることがあるはずです。
住宅建築の視点で見ると、私がこれまで関わってきた 30代~40代の方々にとって、家づくりは”夢のマイホーム”でした。
見た目も機能も充実させたい、そんな思いを持つ方が多かったですし、私もその『思い』に寄り添いながら、一緒に家づくりを楽しませてもらいました。
介護福祉建築では、ADLや生活の目標をベースに計画を考えることが多くなります。
ただし、多くの場合 『長年住み慣れた家のリフォーム』になるため、建築的な視点も欠かせません。
プロとして、見た目も機能も充実した提案をしていかないといけないなと、日々感じています。
最後に
今は『動き』と『思い』を大事にしながら、介護福祉建築に取り組んでいます。
いつか 『これが基本の【き】や!』 と自信を持って言えるような答えを見つけたいなと思っています。
もし皆さんの中で 『これも大事やで~!』 と思うことがあれば、ぜひ聞かせてもらえると嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ミライエ建築工房では、お客様の『思い』に寄り添いながら、住みやすい家づくりをお手伝いしています。
介護福祉リフォームやリノベーションなどに関するご相談があれば、ぜひお気軽にご連絡ください。