小さな工務店のひとりごと 学びの話1|石川県でのバリアフリーアドバイザー講習

こんにちは、ミライエ建築工房の得本です。
今回は、去年の話になりますが石川県で参加した「バリアフリーアドバイザー講習」のお話を。
この講習はNPO法人バリアフリー総合研究所主催する石川県独自の認定資格で私が独立する前からとても気になっていた資格でした。
NPO法人バリアフリー総合研究所

■ 研修初日
会場は「石川県リハビリテーションセンター」。
講師の先生方の話はどれも実践的で、現場の空気を感じながら学ぶ時間でした。
基本的な講義はもちろん、図面の上だけでは見えてこない、“人の動き”や“生活の流れ”の大切さを改めて感じました。

研修ではセンター内にある「ほっとあんしんの家」という体験住宅での研修もありここでは、実際にバリアフリー機器や改修の工夫を見て触れることができました。
印象的だったのは、脊髄損傷などによる下肢麻痺の方などの動作を確認しながら検討ができる装置や、動きを検証できる装置があること。
その動きを基に、手すりの高さはもちろん、細かい動作や数センチ単位の違いまで実際の動きを基に検証・検討できるんです。お風呂の浴槽、床、壁が動く装置があるのは本当に驚きました。
私も以前、モックアップを使って検討をしたことはありますが、これだけ大掛かりで実践的な装置を見たのは初めてでした。
理論だけでなく、実際の身体の動きをもとに考える——まさに“体験から学ぶ設計”を実感しました。
ほっとあんしんの家

研修を終えたあとは、金沢おでんとのどぐろのお刺身で一息。
実は前の日に金沢入りしていて、そのときに石川名物の「8番らーめん」もいただきました。
この日は、お店で偶然隣に座った静岡のライダーさんと話が弾み旅先でのこういう出会いは、なんだかうれしいなぁと思いました。

■研修2日目
この日は、座学とワークショップが中心。
バリアフリーに関する制度や、身体の状態に合わせた基本設計プラン、福祉用具の選び方などを学びました。
ワークショップでは、四肢麻痺のある女性の方の実例をもとに、「親として子どもたちとどう関わるか」という希望を叶えるプランを検討。
建築士だけでなく、福祉用具専門相談員やケアマネージャー、器具メーカーの方など、さまざまな職種の方と話しながら進めました。
いろんな職種の方がそれぞれのプロとして意見を出し合い、一つの方向にまとめていくことの大切さと難しさの両方を強く感じると共に“チームで考える設計”の大切さを改めて感じるとても貴重な体験となりました。

■ 学びを通して感じたこと
今回の講習で強く感じたのは、「人の暮らしに寄り添う設計に“正解”はない」ということ。
一人ひとりの身体の状態や生活の形に合わせて、何が一番良いのかを——本人を含め、さまざまな立場の意見を基に一緒に考えていく。それが本当のバリアフリー設計なのかなと感じました。

石川県はまだ能登地震の復興の最中で、講習が開催された当時も、まだ大変な時期でした。
そんな中で講習を実施してくださったバリアフリー総合研究所の皆さまに感謝しつつ、一日も早い復興を心より応援しています。

また今年は名古屋で開催された「バリアフリーコーディネーター講習」にも参加しました。
次回はそのお話を少し書いてみようと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

       

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