
奈良県・S様邸 水まわりと廊下動線のバリアフリー改修
本事例は、片麻痺のご本人とご家族の利便性を考えて行った水まわりと廊下動線のバリアフリー改修 です。
退院後、ご自宅での生活が始まると、浴室や洗面所の使いにくさ、段差による転倒の不安など、多くの不便を感じられていました。
浴室は開き戸と段差が出入りを妨げ、浴槽もまたぎにくく、寒さも厳しい環境でした。そこで在来浴室をユニットバスへと変更し、床段差を解消、引戸や入りやすい浴槽へ変更し、断熱仕様の浴室とサッシを採用。手すりも設置し、安全で快適な空間になりました。
洗面所は狭さと段差のため介助が難しく、整容も落ち着いて行えない状況でした。そこで脱衣スペースを広げて介助できる広さを確保し、車いす対応の洗面台に交換しました。さらにお客様のご要望で大容量の収納スペースも設置し、将来的に介助スペースとして使えるよう脱着式の棚板を採用。現在は収納として活用しつつ、将来の変化にも柔軟に対応できる空間となりました。
また、居室から水まわりへ続く廊下には複数の段差があり、転倒の危険がありました。床の嵩上げで段差を解消し、滑りにくい床材にすることで、ご本人もご家族も歩きやすくなりました。
さらにトイレは開き戸から引戸へ変更し、照明は人感センサー式に。手洗い器もレバー式に交換し、使いやすさが格段に向上しました。
工事では構造上柱の撤去が必要となり、詳細な調査と計画を行ったうえで補強を施し、大工の技で確かな施工を行いました。
今回の改修では、ご本人様の居室を起点に浴室・洗面所・廊下・トイレを整備。ご本人には「自分の力でできる安心感」を、ご家族には「介助のしやすさと将来の安全性の向上」を実現しました。