小さな工務店のひとりごと 仕事の話5|制度を“使う”のではなく、“組み立てる”という仕事
こんにちは、ミライエ建築工房です。
今回は、昨年から携わっているお仕事について少し書いてみようと思います。
いくつもの制度や、さまざまな疾病・身体状況と向き合いながら、「どうすればその方にとって本当に暮らしやすい住まいになるのか」
制度と実際にしたいことを見比べながら悩みつつ、今も進めている現場です。
制度のことだけを考えればいいわけではなく、身体状況だけを見ればいいわけでもない。
その間にある“暮らし”を、建築と福祉の目線でどう設計していくのか。
今日は、そんなことを書いてみます。

■ 今を見るか、将来を見るか
改修を考えるとき、「今の身体状況」に合わせるだけでは足りない場面があります。
特に、今後の身体状況の変化が見込まれる場合には、現状だけで判断してしまうと、後から大きな負担になってしまうこともあります。
数年後の変化をどう想定するか。制度の枠をどこで使うか、あえて残すか。
正解はひとつではありません。
今進めている現場でも、まさにこの判断に多くの時間をかけました。
具体的な内容は、工事が落ち着いたら改めて書こうと思いますが、今と将来のバランスをどう取るかは、とても難しく、そして大切なテーマだと感じています。
また、高齢になったり、障がいを抱えたりすると、考えなければいけないことが本当に増えるのだと、日々実感しています。

■ 一番時間がかかるのは“調整”
図面を描く前。見積を出す前。ご本人、ご家族、ケアマネさん、行政。
それぞれの立場や考えを整理する時間があります。制度の条件確認や併用の可否、対象範囲の判断。
実は、この“見えない部分”にかなりの時間をかけています。
でも、ここが整わないまま工事を進めてしまうと、本当に意味のある改修にはならないのではないかと、日々感じています。
工務店の仕事としては、あまりなじみのない部分かもしれません。
初めてこのような工事を経験される方は、戸惑う場面も多いと思います。
正直に言うと、私自身も最初はそうでした。今こうして書きながら、当時のことを思い出しています。

■ 制度対応ではなく、暮らし設計
ミライエ建築工房の仕事は、制度に沿った工事をすることではなく、制度の枠の中と外を見ながら、その方にとって意味のある改修を組み立てること。
暮らしを設計するということは、制度をどう活かすかを設計することでもあるのだと思っています。
今はまだ進行中の現場も多いですが、今回のさまざまな制度と身体状況の方との仕事を通じて感じたことを、また改めてひとりごととして綴っていければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
